■ケアを全くしなかったビジネスシューズが入庫!!

 お客様のリペア依頼で預かったビジネス用シューズです。今まで最高にクラッシュした状態でしたので、どれだけ変化するのか?、ケアはどんなに大切で効果的かを解説してみたいと思います。それにしても凄かったです。

 

まずは、写真をご覧ください。弊社で販売した靴ではないのですが、どうしても直して欲しいというご依頼でしたので、どこまでできるか判りませんが挑戦してみることになりました。ご依頼内容は、「とにかく人前で履ける状態にして欲しい」でした。

 

靴の状態から解説致しますと、革は牛革でシボの入った比較的雨に強いとされている素材で、色はおそらくバーガンディーかダークブラウンだったと思われます。雨の中、雪の中を履いてそのまま放置されていたのでしょうか。表面がガサガサになっており、ところどころ色が剥げてしまった状態です。幸いソール面はなんとも無かったので、アッパーの処理とスベリ(踵部分の事)修復をする事になりました。

 

 

 

手始めに、表面の汚れを落とす所から開始致しました。通常ですとリムーバーでOKなところですが、そんな生易しいものではありませんでしたので、思いきって水洗い致しました。この思い切りができるかどうかがキーポントです。ジャブジャブ洗う訳ではありませんが、参考ページとしてはサドルソープ講座をご一読下さい。

同時にシルエットの矯正をします。キーパーを入れてソールの反り返りを戻し、アッパーの無駄な皺を無くします。そのまま良く乾燥させます。

続いてデリケートクリームをたっぷり塗り込みます。通常は指先にチョコっと程度で塗布するのですが、今回は大量にどっさり被せました。デリケートクリームは、保革用クリームとしてとても効果的ですが、革がダメージを負ってしまい写真のような酷い状態になった靴の再生にも使えるのです。硬くなった革靴にたぷりのデリケートクリームを塗布して、ビニール袋に入れて復活させたという話しも聞く程です。(本来は、普段からこまめに少量ずつ使用される事をお薦めします)

ここからが楽しい作業です。色掛けをしていきます。補色講座をご参考にしてください。今回は、色を濃くする必要性を感じましたので、染めインキで下地を作ってから、モゥブレイ社のバーガンディで補色しました。元の色よりも濃くなりますが、最終の仕上げで勝負を掛けようという作戦です。

ここで、クリームが乾いてからブラッシングします。徹底的にブラッシング致します。無駄なクリーム落とす事と、革へのクリームの馴染みを促進させます。

さらに、時間をおいてからモゥブレイハイシャインポリッシュを全体に薄く塗布していきます。艶を戻す訳です。この辺の使い方は、いずれご紹介する日がくるでしょう。

最後にブラッシングを再度いたしまして、乾いた布で磨く事で出来上がりです。

この手の靴は、今後シューキパーは絶対必須です。人前で最も目立つ部分ですから、いつも手入れの行き届いた男の道具を演出していたいですね。

ナトリヤ