田島正理氏の独自手法・非公式バックスキン復活術

 

今回新登場の「馬毛ハンドルブラシ」足と靴の救急箱さんで購入できる。

下記参照
http://www.rakuten.co.jp/actika/408318/502116/450380/
なる道具を使って丹念に擦り込んでいく。

※Collonil DIAMANTの注意書きと馬毛ハンドルブラシ。

 ある程度面積があるのでムラ無く塗り込むにはちょっとコツが必要で、あまり厚塗りにならないように充分注意しながらクリームを擦り込ん でいく。塗布直後は驚くべき艶が出る。しかしこれは余剰なクリームが原因と判断。余分なクリームはDannerクロスを使って拭き取り、乾燥させる。乾燥後も表皮はしっとりとして、バックスキンであるにも関わらず艶が出る。

☆ここで緊急問題発生!!ステッチが消えた!?

 60年の大いなる歴史に手を入れようと天罰だろうか・・・なななんとステッチが損失!大ショック!!無理な折り曲げや、ワックスなどが原因なのかステッチが消えてし まった。この原稿の冒頭部分を見直すと確かにステッチが徐々に消えていくのがわかる。落ち込んでいても仕方ない。誰も助けてくれないので自分でやるしかない。磨き人のはずが、針仕事までやる。磨き作業は急遽中断。もうこうなったらホルスターの為なら人殺し以外なら何でもやる。 (笑)・・・というわけで悲しき男の針仕事終わり。新しい糸のステッチが目に眩しい。(泣)


 ホルスター表側のステッチの状況はこんな感じ。アンティークを取り扱う以上何が起こるか予想も出来ない。とりあえ ず古い靴も注意が必要なようだ。ナトリヤ靴店さんが前にメールにて「戦中のホルスターですよね。それが、この時代まで生き残って来た ことは、私からすると奇跡的です。」と言うご意見を頂戴していたその意味が痛いほど理解できた。まさに60年間の重みと言えよう。何度見ても、新しい糸のステッチが目に眩しい。(泣)

 さて気分を入れ替え作業再開!!(でも本心はこれ以上作業を進めて、取り返しの出来ない事になったらどうしょうと、内心ビビッている。でも、どうしても次の作業にうつれない。原因は下の画像。フラップ止め皮のステッチがどうしても気になる。今にも破壊寸前のステッチ。裏側(バックスキン側)今にも喪失寸前。

 

 

表側のステッチの様子。表はわりと糸は健在している。

 そこで、転ばぬ先の杖。ステッチを縫い直す事に決定。これでもかと言うほどに頑強に縫ったつもりだ。縫製後のホルスター裏側(バックスキン部分)のステッチの様子。

表側のステッチはこんな感じに仕上がった。とても頑丈。これなら何とか耐えてくれるだろう。


※ステッチの心配もこれで無くなり、作業もいよいよ大詰めに・・・。驚異の裏技。イタリアが誇るM.MOWBRAY アニリンカーフ・ クリームこの品もスムースレザー用だ。だがそんなことは気にしない。このクリームも他のクリーム同様直接指に取り塗布する。(多少多め)と思われるくらい塗布し、少し時間をおいてから余分なクリームを除 去する。後はただひたすら磨き込むのみ。BEE WAXとはちがい、コットンなどは一切使用しない。ただ自分の指先を信じるのみ。

アニリンカーフ・クリームの謎の効果により艶が・・・。ここの課程からDannerのクロスは黒色がバックスキン部分に付着しないように新しい物を使う。適度な艶が出ても色の風合いがイマイチ違うので「 アン ティークGUNホルスター磨き秘奥義会得。」のレポートではお蔵入りだったOLIKIN スプラッシュ・ブラシ(スエード専用)を ホルスターの元画像を見ながら消しゴムを使う要領で擦る。ASK スーパースエードブラシで毛 並みを整え(歯ブラシでも代用は可能) いよいよ元のバックスキンのオ リジナルの色艶になって来たことがお分かりだろうか?。(*^o^*)/

PERFECTER ワイヤーブラシでバックスキンを起毛させ・・・。 乾燥させる。

程良く落ち着いたら、新品のPPedaq BRILLIANT ポリッシング レザーグローブのムートンの面でひたすら磨きまくる。(他の色が付着したグローブの 使用は色移りがするので使用厳禁。)

Pedaq BRILLIANT ポリッシングレザーグローブのムートンの面 には何も色は付着しない。これが正解。もしも色が付くようだったらやり 直し。

 

 

 

 Pedaq BRILLIANT ポリッシングレザーグローブの裏技、裏面のレザー部分を使って更に艶を出す。良い感じになってきたぞ〜〜〜〜。予想通りの 仕上がりに大満足。グローブの表面にはうっすらと磨いた跡がみられる。リアル感を出すため、ASK スーパースエードブラシで調節して遂に完成!!!お疲れ様。

 

 

 

 

 


※改めて画像を比べてみよう。

これが元々オリジナルの色。 

前回の作業でバックスキンの色は一旦こんな状態に・・・。

しかし!見事に蘇った。これが完成品!後は好みによってブラシで起毛させてみるのも良いだろう。オリジナルの色目を取り戻すことに大成功!

 

 では最後にALDEN ホースヘアーブラシ白毛で手入れ後Collonil PREMIUM PROTECTで防水処理をして乾燥させる。別の角度から完成品を再度掲載。オリジナルのホルスター裏蓋の艶感とバックスキンの毛が寝てしまっている部分まで見事に再現!しかもクリ〜ン(汚さが無い)ホントに我ながら満足。何とか、自分の狙った仕上げとなってくれた。(Collonil PREMIUM PROTECTを使うと湿気のせいで一旦黒くな るが、慌てずに。ちゃんと乾燥させれば元通り。)

 

 注)画像補整などズルは絶対してない。念のため・・・。フラップの止め皮部分の裏の色を見て欲しい。この部分は一切手を入れてないので、元の皮の色がそのまま出てる部分で、今回の手順により、ここまでオリジナルの色を取り戻すことに成功したかを貴方の目で是非確認して欲しい!!

 

編集後記)前回のレポート「アンティークGUNホルスター磨き」で私は「内部がバックスキンの場合が多いので、取り扱いには特に 注意。間違った事をすると修復不可能になる。」と書いたが、これは正しくなかった。アイデアと道具の融合で何とかなるものだ。バックスキンやスエード又はヌバック商品をお使いの方、又はトラブルでお困りの方、このレポートで、貴方自身のアイデ アと道具を駆使して新境地を切り開いて頂ける糸口となれば、筆者もこれ以上の喜びは無い。

 

 

・・・・下巻へ続く。

※転載無料許可


ナトリヤ